今回の記事は古典文法を参考書なしで勉強していくシリーズの三回目です。
古典文法が苦手な方は
【古文文法#1】 古典文法の基礎と動詞を誰でもわかるように解説!と
【古文文法#2】古文動詞の活用の見分け方を分かりやすく解説!
の2つを先に読んでいただくと今回の記事が分かりやすいと思います。
また、勉強方法については
【古典勉強方法】古文を読めるようになるために必要なこと3つで解説していますので
そちらもお読みいただけるとより効果的です!
この記事では高校生や受験生の方で古文に悩んでいる方に向けて 少しでも古文に対する苦手意識をなくしてもらうために 古文文法を何回かに分けて解説していこうと思います。 古文の勉強の具体的な仕方については別の記事がありますので […]
今回は、古文文法を解説シリーズの2回目を書いていきます。 前回の古文文法の解説記事では、 品詞と活用の基本そして、動詞の活用形について確認しました。 [word_balloon id="1" position="L" si[…]
この記事を読んでくれている受験の方、古文は得意ですか? 恐らく大半の人が苦手だと思います。 [word_balloon id="2" position="L" size="M" balloon="talk" name_positio[…]
前置きが長くなりましたが
本題の形容詞・形容動詞・音便をやっていきましょう!
形容詞
早速、形容詞からやっていきましょう。
形容詞は文字通り人や物、事の状態や性質を表す言葉で
中学校の国語の授業でも習っているはずなので
感覚的にも分かりやすいと思います。
古典の形容詞は2種類
古典の形容詞は2種類あり、
- ク活用
- シク活用
の2種類があります
ク活用とシク活用の見分け方は簡単で
形容詞の下に「なる」をつけるだけです
例えば…
- 「高し」に「なる」をつければ「高くなる」なので「ク活用」
- 「美し」に「なる」をつければ「美しくなる」なので「シク活用」
といった具合です。とっても簡単です!
ク活用とシク活用の活用
次はク活用とシク活用の活用について確認しまいましょう。
形容詞(形容動詞も)用言なので
動詞と同じように活用(文章のなかで形が変わること)があります。

形容詞の活用表
シク活用 | ク活用 | 活用の種類 |
美し | 高し | 基本形 |
美 | 高 | 語幹 |
しから | しく | から | く | 未然形 |
しかり | しく | かり | く | 連用形 |
〇 | し | 〇 | し | 終止形 |
しかる | しき | かる | き | 連体形 |
〇 |しけれ | 〇 | けれ | 已然形 |
しかれ | 〇 | かれ | 〇 | 命令形 |
上の表が形容詞の活用表です。

ここでひとつ確認しておきたいのが古文では活用が2行あるものがあります
活用が2行あるものは
- 右の行を本活用
- 左の行を補助活用
といいます。本活用と補助活用があるときは
補助活用は下に助動詞を置くことができ
それ以外の品詞は本活用の下に置く
というルールがあります。

形容詞の活用表の覚え方
形容詞の活用表の覚え方ですが
動詞の活用と違って全部覚える必要はありません。
この記事では高校生や受験生の方で古文に悩んでいる方に向けて 少しでも古文に対する苦手意識をなくしてもらうために 古文文法を何回かに分けて解説していこうと思います。 古文の勉強の具体的な仕方については別の記事がありますので […]
形容詞の活用表で覚えなければいけないのは
上の活用表のなかで赤い文字になっている。
く・く・し・き・けれ
だけです。
簡単活用表をよーく見てください。
まず、補助活用(右の行)はラ行変格活用に「か(しか)」がついただけです
つぎに、シク活用の本活用(左の行)はク活用の本活用に「し」がついただけです
なので、ク活用の本活用とラ行変格活用が覚えられていれば
もうク活用とシク活用がおぼられているのと同じです。

形容動詞
次は形容動詞をやっていきましょう。
形容動詞は基本的には形容詞と同じなので
形容詞ができていれば簡単なのでさくさくやっていきましょう。
形容動詞も活用は2種類
形容動詞も形容詞と同じで活用は2種類で、
形容動詞の活用はナリ活用とタリ活用の2種類です。
そして、形容動詞は形容詞より簡単に見分けられます!
形容動詞は、終止形を見るだけです。
例えば…
- 「静かなり」だからナリ活用
- 「堂々たり」だからタリ活用

形容動詞の活用表
タリ活用 | ナリ活用 | 活用の種類 |
堂々たり | 静かなり | 基本形 |
堂々 | 静か | 語幹 |
たら | なら | 未然形 |
と|たり | に|なり | 連用形 |
たり | なり | 終止形 |
たる | なる | 連体形 |
たれ | なれ | 已然形 |
たれ | なれ | 命令形 |
形容動詞の活用も簡単で、
それぞれ連用形の「に」と「と」だけ覚えてくれれば
ラ行変格活用に
「な」をつければナリ活用
「た」をつければタリ活用です。
形容動詞の活用に補助活用はありませんが
連用形のときだけ
「なり、たり」の下に助動詞が来るので気をつけてください。
応用編:注意したい形容詞の訳(aをbみ)
今からお話しすることは応用のお話しなので
古典が苦手な方は飛ばしてもらって大丈夫です。
古典の文章はよく和歌が出てきます、
その和歌の中で出来る形容詞は注意しなければならない訳のパターンがあります。それが
A(を)B み
の形になっているときです。
この「A(を)Bみ」の形になっているときは、
「AがBなので」
と訳します
例えば…
「瀬を早み」
という文なら
「川瀬の流れが速いので」
という風に訳します。
これは追々理解してくれれば大丈夫です。
今はわからなくても気にしないで下さい。
次の記事では係り結びと音便について解説します
次回の記事では係り結びと音便について解説したいと思います。
それが終わればいよいよ古典文法のなかで1番の山となる助動詞に入っていきます。
まだまだ古典文法の解説記事は続くので是非是非お読みください!
それではまた次の記事で!
